およそ人市場
・朝から古物市場に直行。市場オープン前の午前中に会員登録が必要だったのだ。
・会員名はなぜか「人」に決定(笑)。というのも登録用に屋号というかニックネームを聞かれたの「ヌン」でお願いしますと伝えたら、すでに似た名前のベテラン会員がいるとのことで、では「ヒトヒト」でと伝えたら、うーん、じゃ「ヒトね漢字で」と勝手に命名されてしまったから。
・かくして新人「人」の誕生。「人さん新人なんで、あとでみんなの前で紹介するから」と。
・午前中は続々トラックから荷下ろしをする売り手とスタッフの人たちがなごやかに談笑しているので、なんだか静かな場でよいなと思ってたら午後のスタート頃に様子が一変。
・そこらこちらから次々と売り手買い手が現れ道に溢れてるじゃないですか。その数総勢100名ぐらい。平日の真っ昼間だっつうのに集まりすぎでしょ。
・そしてセリは外の置き場からスタート。セリ人の巧みな値付けと進行のもと、次々とセリ落とされ仕分けられていく様は面白すぎて目を離せない。終始飛び交う生き物のような業界用語の嵐にときめき続ける。
・大物家電や家具系にはじまり広い広い外倉庫の表側まで満載だったモノがいつのまにかなくなり、建物の周りをぎっしり取り囲んだものも次々とハケ、室内にあるメインの競り場に突入。
・このメイン会場で来ました新人紹介。「新人の人さんです」「よろしくお願いします」。ほんの数秒だが視線があつまり、それも束の間、目線は本場に次々と流れゆくモノたちへ移った。
・ここで思い出した。15時に打ち合わせだった。戦場を離れ近くのファミレスに駆け込む。しかし平日午後のそこも戦場並みにガヤついていた。
・しまった。リモート打ち合わせ相手にも聞き返されるし、聞こえないと思って力んで声張ると周りのJKや主婦にチラ見されて嫌になる。結果話に集中できない。せっかく時間もらったのに申し訳ない…!さすがに後でコメントフォローしないと、だ。
・というわけでモヤっとしたまま、戦場Aへ戻る。
・以前にも増して場はさらに白熱しなごやかムードだ。時計、カメラ、人形、おもちゃ関係…大きなカートで次々と運ばれては場にドバッとバチコン広げられ、ベテラン陣らを筆頭に競り落とされながらも決してクローズドではなく誰にでもほどよくオープンに開かれていて渾然一体となった雑味のある売買空間。時折出現するレアな大物(言えません)への歓喜。
・セリは全般雑で粗いが、やじや掛け合いを楽しみながらも同時にゆずり合いやススメ合いも頻繁にあって実はあたたかい。このおよそ人間的なやりとりの連続にどっぷり浸かると、このモノの取引のほうが、便利で効率的なインターネット売買の数百倍も元気になるし自然なんじゃないかと思わされる。最高のエンタメですよ、ほんと。
・そんなこんなで初回は見学程度で来たつもりが、大量1500個以上の多様すぎるマッチセットとラジオを収穫物に小脇に抱え、途中終了とする。新米「人」の古物の道は険しくも面白くまだまだ続く。