山田和幸
紙に記憶させるヒト
青山古市を散策中にたまたま出会った山田和幸さんの作品 ダメージ・ノート。新しい紙をエイジングして作られたボロボロのノートは衝撃でした。名付けるならNew antique?カメラマンとして活動してきた山田和幸さんはある時から紙を染めたり傷をつけたり、様々な手法でエイジングする作品制作をはじめました。それらの紙を束ねてノートにしたり、更にドローイングやペイントをほどこして組み合わせ製本されたART-ZINEという形で提示される作品群は時代性や時間性を飛び越えてある種の共感を呼び起こす装置のような役割を担っているように感じました。モノとの距離感や価値観を揺さぶられます。 いい感じのテクスチャーをつくるためにいろんなことを試みたといいます。 インスタグラムにはその一部始終が動画でUPされています。 紙の束に紐をつけて犬の散歩のようにまちなかを引きずり回していました。 古いものから新しいものへ/新しいものから古いものへ、とか、古いことが新しくて/新しいことがもう古い、というようなパーソナルな記憶や意識とも関連する感覚的なところ。そこにあるものから作り出すこととか、古物と現代アートの共振性のエッジというか、時代的感性の潮流とか、集合的無意識なのか、、パラダイムの転換が起きているということとか、、感じている人は多いけれどそれをまとめて言語化するのが危うくも難しいところ、共感覚(?) その辺りの感性を具体化(体現)している作品だと感じたわけです。 そんなややこしいことを考えるより 本人はやりたいことをやっているだけ、という風にいたってひょうひょうと紙の束を引きずり回したり、蹴って歩いたり、バスタブに沈めたりしてるのだろうと察するのですが、、初めて会ったのがクラフトマーケットで、2度目に会ったのが近くのギャラリーでのグループ展に出品されていたところを訪ねてノートをゲットしました。(この日帰りに寄ったOTOEという古着屋さんでアンゴラのハイエナみたいなセーターを買ったんですが、その時店員さん2人にダメージノートを見せびらかしたんです、そうしたら凄く興味を持ってくれて後日ギャラリーに行って2人とも購入したらしいです。感覚的なことが通じるとすごく物事はわかりやすく動くんだなということがよくわかった出来事でした。) こういうものをつくりだすに至った思考、プロセス、手法など含めて人間存在としていろいろ興味が湧きすぎたので会って間もない山田さんに、こちらも始めて間もないポッドキャストでじっくり話を聞くことにしました。3度目にポッドキャストの打ち合わせで会った喫茶店では2時間近く話をして制作する者同士シンパシーを感じることも多く、雑談の中から彼の人間的面白味も感じました。 4度目がポッドキャスト収録の日でした。打ち合わせで面白い話はあらかたきいてしまったと思っていましたが さらに知らないことが出てきます。。常に自分の殻を破りたいと言う 山田さんの興味はどんどん多方面に、妄想・発想は拡張して 紙、平面から立体造形へと更ににその先へと発展していく予感がします。 by H
NUN podcast #3
「新しいノート。」全2回
ゲスト: 山田 和幸
前編
後編
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