生ノ物【ヒト】

佐々木想

鈴木さんと佐々木さん

「鈴木さん」という映画を撮った佐々木さんの話を聞いてみたかった。
佐々木さんは「サトウくん」という映画も撮っている。次回作は「朴さんと吉田さん」(仮)だと伺った。
鈴木さんやサトウくんや佐々木さんの話 これは誰かの話であり、あなたの話 でもあるのだわ。

佐々木想は想う人だ。想うだけでなく想いを映画という表現方法で作品化して他者に対して問いかけてくる。
我々の預かり知らぬ日々の中でまた新しい物語を成立させるための準備を淡々とすすめているのだ、
本人にとっては特別なことではないのだろうけどそれは確実に違う日常なんだろうと想う。
照れくさそうに「向いてない、得意じゃない、、」と言いますが。。
100の質問委員会では パーソナルな記憶を語ってくれました。個人的にはりんごの話は妙にツボでした。

by H

水産業、解体業、遊興施設従業員、、
さまざまな職業を経て、映画の世界に辿り着いた佐々木さん。

「隕石とインポテンツ」、「サトウくん」、そして今年2月に公開された「鈴木さん」等代表作をはじめ、これまで大小数10作品を制作している。

その真摯な姿勢は幕末の志士のように熱く、
点々流転しつづけるバックパッカーのよう厭世感もあり、
1カットに異常にこだわる偏執性もあり、
何度も観た好きな映画「恋しくて」の話しを楽しそうに語る優しい少年でもあり、
多様かつ同時多発にそれらが共存している。
カオス・・・

「集団が苦手で…」と自虐する割には、経験したすべての出来事や感じた問題意識を、むしろ楽しんで意欲的に映画に取り込んでいく姿勢であるように映る。
同時に、佐々木さんの作品には自分と自分の周囲にある社会との間にある違和感や葛藤が表現されており、また、自ら”SF”、”宇宙人”と称する視点から、その社会的枠組みを生んだローカルルーツ(思想・文化背景や組織体制)の闇への貪欲で執拗なアプローチによる、繊細かつありありと大胆な描写に、いつもドキっとさせされる。

そして、今回の「鈴木さん」
見終わった後から続きを観たくなった。
それはあれから4ヶ月経過した今も続いており、
もっと続きを観たいなにかに揺さぶられている。

———————————————————————-
NUN podcast #6 「鈴木さんと佐々木さん」
ゲスト: 佐々木想さん

ことし2月に新作映画「鈴木さん」(主演:いとうあさこ、佃典彦)を公開後、全国各地で上映を行ってきた映画監督 佐々木想さん。映画制作をめぐるエピソードや世界観等、2週にわたりじっくりお話し頂きます。

新作映画「鈴木さん」について
第25回プチョン国際ファンタスティック映画祭や第11回北京国際映画祭などの海外の国際映画祭で映画賞を受賞し、第33回東京国際映画祭でも上映され、大きな反響を呼んだ、日本映画としては稀有なディストピア映画。2022年2月東京2箇所の映画館を皮切りに6月にいたるまで、北海道、仙台、山形、横浜、名古屋、大阪、京都、福岡で上映。

【 前編 】
行きあたりバチあたり多様な職業を経て行き着いた映画監督という職業。
演劇から映画への分岐点は。前作「サトウくん」の振り返り。
「集団が苦手…」作品共通にある問題意識とスタンス、社会構造への疑問。
なぜ、どのようにして鈴木さんが生まれたのか。そこまで話す?新作「鈴木さん」の表話裏話。いとうあさこさん、佃典彦さん、老人4人組、、キャスティングの妙。
細やかな台本づくりと的確なロケハン。なんと10日間で撮り切った短期集中撮影秘話。作品苗字シリーズの行方・・などなど。

(5/18収録・約46分)

【 後編 】
さらに続く、「鈴木さん」撮影エピソード。
なぜにタコ弁当?不穏さをあおるテーマ曲。キーパーソンズおばあさん4人組のインパクト。
カミサマは装置のひとつ?カムイ伝から学んだこと。
絶対的な集団論理と個人のアイデンティティ、生きやすさの間にあるものへのアプローチ。
次回作は「朴さんと吉田さん」(仮)。指相撲による韓日SFコミュニケーションエンターテイメント?。
恒例100の質問委員会。
映画「恋しくて」・・忘れられない青りんごの味・・黒曜石物語・・



(5/18収録・約68分)

by H

—————————————————————————————-
○関連リンク
映画「鈴木さん」オフィシャルHP
https://suzukisan-movie.com/

映画「鈴木さん」 Twitter
https://twitter.com/suzukisan_movie

佐々木想facebook
https://www.facebook.com/omoi.sasaki

佐々木 想 (ささき おもい)

映画監督

山口県旧豊浦郡出身。演劇を流山児祥氏に師事。水産業、解体業、遊興施設従業員等を経て2004年より映像業に従事。世界から破れ去る人々、出会い損なった人々の物語をユーモアと哀歓を込めて描く。過去作品に「隕石とインポテンツ」(2013年公開・カンヌ 国際映画祭短編コンペ部門)「サトウくん」(2017年公開・第9回沖縄国際映画祭)など。