菊池ペコ

ことばにしてしまうとその時点でちがうものになってしまう。
本質とズレてしまう。言葉というモノになってしまうから。
そんな感覚がある。

言葉を意識的に扱う人は少なからず感じることだと思う。
だからペコさんのことを語るのは難しい。わかったつもりで簡単に言葉にはできない。
ペコさん自身がすぐにわかったとは言わない人、人や物事を慎重に観察し検証する人だからだ。

まったくうまくいい言い表せるきがしないけれどもそれでもあえて書くのが言葉だから
揺らいでいるからこそ強いとか
不確かだからこそ長くつづくとか、
曖昧なままで確かであるとか
明確にしないまま歩んでみようとする気持ちとか、、、、
理屈や道理で説明できないモノ
まだ名付けられていないことの領域
明確な価値判断の外側に生息している生命体という印象なんですね。
続けたら、続けた先の景色が見れる、続けなかったら、また誓う景色が見れる
そのどちらにいいもわるいもなくて、どちらもいいものかもしれない。
と　ペコさんの話を聞いていると思えてくる。

言ってみれば　時間軸が　おおきいのかもしれない。
うまれてこのかた自身のことも他人のこともずっと観察中。
社会的速度ではなく独自の物差しを持って（それは言葉で言うほど簡単なことではない）宇宙時間で世界を観測している。
地球にやってきた宇宙人の目線といったほうががわかりやすいだろうか。
自分のこともどこか他人事のように
すこし俯瞰したところからみているペコさんの視点はホロスコープの研究と映画体験の影響もあると思われるけれども、
やっぱり元々備わっている眼差しのような気がしました。
時間がかかるとか、進みが遅いと本人はいいます。
早いことや合理的なことが良しとされ、遅いとかハッキリしないということがネガティブに捉えられがちな世の中ですが
安易にジャッジしない、わかった気にならない、簡単に答えを導こうとしない、というのは
至極まっとうな態度だと思うのです。そうおもうのは自分にも観察者の要素があるからだろうか。

多岐にわたる短期アルバイトの経験や体験記憶がすべてがホロスコープのリーディングに集約していることもしるにつけ
ホロスコープはペコさん自身を現実に繋ぎ止めるために必要だったんであろうと想像すると同時に
ペコさんのホロスコープセッションを必要としている人も沢山いるんだろうと思うのです。
じわりじわりとホロスコープのリーディングをしながらお店を続けてきた5年の間に見えてきた輪郭。
場所としての意義のようなものが今後どんなふうに熟成していくのか、ながい助走期間を経て新たな景色に向けて動きだす気配のあわいものやさんに刮目したいとおもいます。

ハッキリとした輪郭を伴わずともあわいもののまま確かな場所として在り続けて欲しいと願います。
ペコさんが書き始めたという小説もヒジョーに楽しみです。

by H

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ペコさんはワープする。
そこに行きたいと思ったら移動する。

ペコさんは好んでいくつもの仕事を経験してきた。
そこで起こることを映画の1シーンのように受け入れ楽しむ。
ノッてきた仕事にはたんたんと長く没入する。
ただ終わったことは即忘れる。そして日々を積み上げる。

しかし日々の生活でふと出会うあわいは忘れない。
色、温度、触感、匂い、とある条件がぴたりとマッチした時、
ペコさんは無意識に身を消し視点を変える。ただ遠くから眺める。
その気になる時間と記憶は、やがて必要なときまで、そこにそのまま置いておく。

星を見るとき、ペコさんの時間はかたかたペースアップする。
細かな数学を刻みだす。点と点がつながり線を結ぶ。
時間、方角、組み合わせ、、情報の合点がつくと、きらきら饒舌になる。
その的確さに吊られ、そこに居る側も混雑がふわっとほどける。
原因と結果の連鎖がクリアになる。

後ろには進まない。前方に向かう。
やがて、かつっと終わるが、
鮮明で純度の高いあわいはずっと残る。

最近ペコさんが書いている小説をちらっと拝見しました。
そこには”。”も”丶”もない風通しのいい自由な空間が漂っていました。

ペコさんの宇宙時間

by G

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NUN podcast #20
あわいもの暦
ゲスト： 菊池ペコ

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ギーコa.k.a 及川ギガ英貴社長
2023.6.13 高円寺あわいものや2Fにて収録　　時間 :